○・・五月の各劇場はどこも大入りで黒字をだしたが、さて六月はどんなものであろうか。帝劇にかかる新派などはいつも廿五日が前売開始なのに、今度は廿日から前売をはじめたが、思ったほどいいとは言えない。どうやら楽観はできない。

帝劇ですごかつたのは「セールスマンの死」の楽の夜で、入場できないお客がワンサとつめかけた。もつとも第一生命ホールでやつている同じ民芸の「神は知っていた」の方は香しくない。

○・・日劇ＭＨもこんどの出し物では少々お客がおちたが、最近トニー谷が出はじめてからまた客足が上ってきた。トニーの人気である。そう言えば、廿五日にヴィデオ・ホールで催されたウエスタン・ミュージックの会は超満員。出演した九楽団への声援がこれまたモノすごかった。

　このところ東芸、七曜会、廿一世紀、泉座などの小公演が相次いだが、入りの点ではどれもよくない。せいぜい五分の入りというところ。