両ベテランが芸術座の舞台で初共演　杉村春子と山田五十鈴

 

　杉村春子＝写真・左＝、山田五十鈴＝写真・右＝が舞台で初共演する正月の東京・日比谷、芸術座「やどかり」の製作発表会が行われた。作、演出は榎本滋民。明治末期から大正にかけての世相を背景に、自立を望みながら運命に流されてゆく二人の女性の姿を綴ったドラマになるという。

　杉村の役は、氏族令嬢で女学校まで出ながら、家の没落によって相場師の妻となるさつ子。山田の役は、家の都合で芸者に出されたが、役人に身請けされ政府高官夫人となるおしず。二人はポスター用の役の扮装をして現れたが、まず杉村が「山田さんとは映画、テレビでは何度もご一緒したんですが、舞台は縁がなく、今度の公演をとても楽しみに思っています。きっと面白くなるでしょうし、ご期待にそうようにしなくては…。育ったとこうは違っても、舞台という共通の場で永くやってきた二人ですから、合わないわけはないと思うんです。」

山田は「昨夜は興奮して眠れなかったんですよ。口はばったいようですが（自分の芸を）受けていただけると思うと楽しいんです。大先輩の胸を借り、気持よく文学座へ帰っていただきたいわ。もっと何かいいたいんですが、本がまだでして……」とそばにいる榎本滋民をちらり。

　榎本さんは苦笑しながら「弁解になりますが、この大顔合わせの作者に選ばれたことは、作者みょうりにつきるわけでして、あれもこれもと思うとつい慎重になります。近く仕上げます」。

劇中、杉村がピアノ、山田が三味線をひくシーンがあるそうだが、杉村は「何でもいいから弾けとおっしゃるでしょ。手も動かないし、これから改めて練習しなければ……」。

 

「茶の間に入っても安全な顔なので」　中村梅之助

 

　「伝七捕物帳」（日本テレビ系）が終了と同時に「達磨大助事件帳」（テレビ朝日系、木曜午後８時）がスタート。ＮＨＫ大河ドラマ「花神」出演も続き、テレビ時代劇夜八時台の代表的��顔″だ。

「��遠山の金さん″出演のころから八年間ずっと��八時台の男″をやらせてもらっています。先日もファンの方から、うちの女房があなたに夢中だが、あなたの顔なら私も安心していられる、といわれました。茶の間に入っても安全な顔なんでしょうね」

　達磨大助とは密命を受けて悪をあばく南町奉行の手付同心。ダルマのネーミングは本人の顔のイメージから。「花神」の大村益次郎のアダ名も「火吹ダルマ」だった。「��花神″が週三日、��達磨�≠ｪ週三日、残る一日は前進座の仕事があって、このところバテ気味です。疲れて目が充血してきたら、スタッフの人が収録ストップをかけてくれる手はず」

十二月から二月は前進座の舞台「花神」が待ち受けている。