中座の「忠臣蔵」は東京・歌舞伎座と同時公演で、上方役者がそろい、上方の演出で見せる。こんご大阪でも歌舞伎が育つかどうか、松竹の試金石の一つだ。新歌舞伎座の島倉千代子は連続出場四年目、芝居にも進況を見せる彼女が、辰巳芸者の心意気を舞台いっぱいに。梅田コマの「夫婦善哉」は、織田作之助の名作を大阪タレントの藤田、野川コンビで。かつての森繁・淡島さては森光子に負けない柳吉と蝶子にしたいと、二人ははりきっている。

　一方、新劇は、俳優座と民芸が二班ずつに分かれて関西を巡演する。うち、俳優座の「夜の来訪者」は四回目の公演。東野英治郎が執念を実らせた。ほかに、ミュージカルと取り組む四季が「ウエストサイド物語」を再演する。

（写真）右・「夫婦善哉」の柳吉（藤田まこと）と蝶子（野川由美子）　左・「仮名手本忠臣蔵」のおかる（中村扇雀）と勘平（実川延若）、四季のミュージカル「ウェストサイド物語」

劇場

演目

主な出演者

見どころ

期日、時間

料金

中　座

歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」昼「大序より三、四、五、六段目」

夜「七段目より大詰まで」

鴈治郎、仁左衛門、延若、扇雀、我当、秀太郎、菊次郎、雛助

1〜25日

昼＝11時

夜＝4時半

4,500、3,000

2,000

学生1等3,500

南座

錦秋公演

「水沢の一夜」「純妻物語」「ゆきの別離」

木暮美千代、有島一郎、横内正、伊吹吾郎

木暮美千代

1〜24日

昼＝11時半 夜＝4時半

�@3,500，�A1,800 �H900

新歌舞伎座

島倉千代子公演「すみだ川」「ヒットパレード島倉千代子と共に」

島倉千代子、多々良純、

麿人お吉や野崎村のお 光から、今回は江戸前の粋な芸者に

1〜27日

昼＝11時半夜＝4時半

4，000 3，000 2，000

梅田コマ

秋の名作劇場「夫婦善哉」

藤田まこと、五郎八、野川由美子、松鶴、小鹿ミキ、麻田ルミ

道楽息子の柳吉と、蝶子のおかしくもまたかなしい男と女の物語

1〜27日

昼＝正午

夜＝4時半

S＝3,000、 2,500 1,200 700

三越劇場

劇団喜劇　花登筐作・演出「じゅんさいはん」

星由里子、石井均、高田次郎、谷幹一

どけち男と意地っぱり女のほのぼの夫婦愛

3-20日　昼11時半、夜4時半

3,000

（全席指定）

朝日座

「男たちの虹〜近鉄創世記」佐々木武観・脚本、内川清一郎・演出

本郷功次郎、高田浩吉、金田竜之介、弓恵子、沢村宗之助、夏目俊二

「東へ向かって走れ」を合言葉に、鉄路に夢をかけた男たちの物語

3〜17日

昼＝1時

夜＝6時

2,800

2,300

宝塚大劇場

「わが愛しのマリアンヌ」「ボーイ・ミーツ・ガール」

月組・榛名由梨、瀬戸内美八、順みつき　ほか

▽宝塚久々の喜劇作品

▽50年代音楽や風俗も

〜8日

（毎水曜休演）

2,000 1,500　 1,000　500　300

「テ一ムズの霧に別れを」柴田侑宏作・演出。「セ・マニフィーク」酒井澄夫作・演出

星組・鳳蘭、但馬久美、遥くらら、玉梓真紀、上條あきら、風美圭、峰さを理、立ともみ

▽英国宮廷を背景にしたアクション風ドラマ

▽七人の人物を演じる鳳が軸のショー

11日〜12月18日（毎水曜休演）

劇　団

演　目

主な出演者

見どころ

日程と場所

俳優座

「夜の来訪者」プリーストリー作、阿部広次・演出

東野英治郎、松本克平、伊藤辰夫、村瀬幸子、岩瀬晃、御道由紀子

初演以来、一貫して警官をやる東野の実在感

9〜14日＝神戸文化ホール▽16〜21日＝大阪厚生年金ホール▽21〜24日＝京都会館（いずれも労演例会）

「十二夜」シェークスピア作、西木一夫・演出

永井智雄、小笠原良知、山本圭、阿部百合子、河内桃子、天野真由美

正統喜劇を追求、堅実な舞台を。中堅が活躍

4日＝松原市民文化会館▽6日＝鈴鹿市民会館▽8日＝呉市民会館▽10日＝島根県民会館▽11 日＝米子市公会堂▽12日＝鳥取市民会館▽14日＝倉敷市民会館 ▽15、16日＝岡山市民会館

四　季

「ウェストサイド物語」Ｊ・ロビンス原案、浅利慶太ほか演出

鹿賀丈史、飯野おさみ、市村正親、久野綾希子、立川真理

ご自慢の歌と踊りでブロードウェーに挑戦――

2日＝大阪サンケイホール▽9日＝広島郵貯ホール▽11日＝浜田市民会館▽12日＝境港市民会館▽14日＝高松市民会館

民芸

「奇蹟の人」渡辺浩子・演出

奈良岡朋子、土部渉、南風洋子、入江杏子

奈良岡サリバンの至芸と土部ケラーの敢闘――

10日＝石川厚生年金ホール▽11日＝富山県民会館▽12日＝高岡市民会館

「我が家は楽園」ヴイナ・デルマ一作

宇野重吉、北林谷栄、梅野泰靖、長浜藤夫

宇野、北林が語ってみせる老後の喜び悲しみ

18日＝福井市文化会館▽19日＝敦賀市民会館