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御 挨 拶
全市の皆様益々御健勝に渉らせられまして大慶に存じ上げます。
去る昭和二十年三月十四日戦災によりまして道頓堀は全滅いたしました。復興は先づ五座の櫓からと、深く私に於ても期するところがありまして、直ちに新築の企劃を立て一日も早くと、経費を顧みず、資材難を克服して其の進行を強化してまゐりました。御承知の通り中座は道頓堀最古の劇場（寛文元年創立、今より二百八十六年以前）でありました。古典劇として伝統を誇るものでありましたが、明治三十九年二月私が大阪進出最初の歌舞伎興行以来引続き大正九年二月新築、主として歌舞伎上演の経歴をもつものであります為め今般の新築には主として、古典劇場の様式を併用し外観をことさら瓦葺き御殿風とし、中央破風に櫓を設けて遠き昔の俤を偲び、内部の設備には座席、椅子席の併用によつて、皆様の御期待に添ふことゝいたしました次第であります。斯やうにいたしまして中座はつゝがなく予定の通り新築竣成を見ることゝなりましたのは、偏へに皆様の御助力によるところと厚く感謝いたす次第であります。ついては今後當劇場を中心に、道頓堀の繁栄に幾分でも寄与いたすこどが出来ますれば、私の本懐といたすところであります。
松竹株式会社
白井松次郎
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當る子歳初春興行
柿葺落大歌舞伎
元旦初日
第一部（十一時開演）
第一 近松門左衛門作、食満南北脚色、
藤間良輔振付、西亭作曲、梅屋勝之助作調
雪女五枚羽子板 三場
文楽座 太夫・三味線 特別出演
第二 近松門左衛門・渡邊霞亭原作による
郷田悳作並演出、大塚克三装置
夕霧伊左衛門 二幕
第三 渥美清太郎演出
一谷嫩軍記 陣屋の場
第四 山村若振付
上の巻 松竹梅 地唄連中 菊原初子社中
藤間良輔振付
下の巻 角兵衛 常磐津文字太夫出演
第二部（三時半開演）
第一 近松門左衛門作、村井富男演出、
大塚克三装置
堀川波の鼓 六場
第二 襤褸錦 大晏寺の場
第三 国訛嫩笈摺 どんどろ大師の場
第四 藤間良輔振付
義経千本桜 道行の場
文楽座太夫三味線・桐竹紋十郎
特別出演
十四日より一部二部狂言入替上演いたします。
初日に限り一部料金にて通し御覧に入れます。
前売券は七日前、二等前日発売いたします。
一部御観劇料
一等席 ５０円 税金 ７５円 計 １２５円
二等席 ３６円 〃 ５４円 計 ９０円
三等席 ２０円 〃 ３０円 計 ５０円
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中村梅玉
嵐 雛助
中村松若
実川延之丞
中村昭二郎
中村政次郎
中村照助
中村小芳
小久保田久雄
坂東豊昇
市川松柏
中村霞仙
坂東寿三郎
當る子歳初春興行
中村富十郎
中村駒之助改メ
嵐 三右衛門
坂東鶴之助
実川延二郎
柿葺落大歌舞伎
林 又一郎
中村成太郎
中村あやめ
中村紫香
中村太郎
松本錦吾
嵐 鯉昇
中村政之助
市川左莚
嵐吉三郎
実川延若
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