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女盛り花開く１７年組 十朱幸代や山本陽子ら 最年長 杉村、滝沢ら
昭和二十九年生まれの“二十三歳馬”の一番人気は檀ふみ。ＮＨＫ「連想ゲーム」ですっかりお茶の間におなじみだが、そのシロウトっぽいさわやかさとおおらかさが受けて、最近はドラマに映画にと活躍。一、二年前まで「獣医さんになりたいの」といっていたのがウソのような売れっ子ぶりで、ふみちゃんには芸能界の水はすこぶる甘かった？ これまた「連想ゲーム」の人気者の水沢アキも二十三歳の年女。茶目っけたっぷりの人柄にフアンは少なくないが、ご本人は卒論にべートーベンをとり上げるほどのクラシック通。「こんど生まれてくる時は、断然ピアニストになる」とがんばっている。「わたしは熿」の萩尾みどり、「さかなちゃん」の五十嵐めぐみと、毎日テレビ小説育ちの二人もそろって年女の仲間入り。 フォーク、ニューミュージックのユーミンこと松任谷由実、因幡晃、丸山圭子らも二十九年組。 南沙織、山口いづみ、海老名みどり、角川博、小林麻美、風吹ジュンと続くが、圧倒的な女性優位。今ひとつ“オス馬”諸君の健闘を期待したいところだ。 働き盛り、女盛りの昭和十七年生まれのタレントは多士済々。歌舞伎界の“サラブレッド”市川染五郎と尾上菊五郎の二人は、ことし三十六歳を迎える男盛り。染五郎はＮＨＫ大河ドラマ「黄金の日々」の主役。呂宗助左衛門役でことし一年間、茶の間との長いつきあいだ。 昨年、小川知子との婚約を発表した林与一、ジャズの日野晧正、「宇宙戦艦ヤマト」のヒットでよみがえった佐々木功、甘いマスクで人気上昇中の近藤正臣、他に石立鉄男、中尾彬、浜畑賢吉と、女性に人気のある二枚目がそろった。仁科明子との恋愛問題で、仁科の父・岩井半四郎の説得にも“馬耳東風”をよそおって男を下げた？松方弘樹もこの年の生まれ。 女性軍のエースは十朱幸代。しっとりとしたお色気で舞台にドラマにと引っ張りダコだが、昨年は小さいころからの夢だった歌手にも挑戦。「よせばいいのに」の声もないではないが、その意欲は評価したい？ 光陰矢のごとしで“山本山のおねえさん”山本陽子もことし年女。“女盛り”とは、この二人のためにあるような言葉だが、どういうわけか、とんとホットなうわさが聞かれないのが不思議。萩本欽一とのコンビで注目を集めている真屋順子、それに上月晃、江波杏子、畠山みどりらも十七年組だ。 昭和五年生まれは個性の強い顔ぶれが少なくない。まずは離婚問題で昨年の女性週刊誌売り上げに協力した左幸子、岸田今日子のご両人。二人とも“丙午（ひのえうま）”でもないのに、なぜかともにカミさんが多く気をはいた。 馬力のありそうな京塚昌子に、好対照の新珠三千代、新劇の南風洋子もがんばっている。 男性軍では大山勝美、中村梅之助という、新国劇、前進座の明日をになうホープがそろった。“ロマンスグレーのおじさま”二谷英明、“歌う映画スター”から最近では司会専門の高島忠夫に三波伸介、昨年一年のうちに引退カムバックと、身辺が常にににぎやかな歌手兼作家の野坂昭如センセイ。そして藤岡琢也、高橋昌也、中谷一郎、名古屋章など、ドラマに欠かせないワキ役陣、三橋美智也にクレージーキャッツのハナ肇、桜井センリも猫にあらずウマ年生まれだ。 大正七年生まれには、昨年のマリファナ旋風で自慢の息子が逮捕され、意気消沈の高峰三枝子がいる。永遠の二枚目・池辺良、司会の高橋圭三、木暮実千代、中村竹弥も、ことし五十代最後の年になった。 明治三十九年は“丙午”。文学座の大黒柱杉村春子がこの年の生まれだ。山本安英、民芸の滝沢修と、それぞれ個性はちがっても、その芸ひとすじの生き方は、後に続くタレントにとって見習うところが大きい。 （写真）右上・檀ふみ（２９年生まれ） 中・十朱幸代（１７年生まれ） 下・松任谷由美（２９年生まれ） 左上・市川染五郎（１７年生まれ） 下・松方弘樹（１７年生まれ） |
